もう、戻らなくちゃ。
これ以上、聞いてちゃ、やっぱり悪いし。
それに、陸さんも、静かに話してくれているし。

ほっとしたら、急に、足から力が抜けた。
ドアにもたれたまま、しゃがみこむ。

あれ。

なんで、足が震えてるんだろ。
力が、入らない。


はやく、戻らなくちゃ。
こんなとこ、陸さんに見られたら、怒られちゃう。


気持ちは焦るのに、足が、全然動いてくれない。

ボクは、点滴スタンドにつかまった。

なんとか、立ち上がったとたん、まためまいがした。

思わず、点滴スタンドに寄りかかってしまう。

点滴スタンドが、滑って、ボクはスタンドと一緒に倒れてしまった。