「マコト、別に俺は」

「ボクと一緒に死のうって、そう考えたんでしょう?ボク、そんなの絶対イヤだ。ボクのせいで、陸さんが死んじゃうなんて、絶対イヤだ」

正直。

ボクは、自分に価値があるなんて、思えない。

自分に自信もないし、好きにも、なれない。

でも、そんなこと思える人なんて、ほとんどいないと思う。

自分が好きで、大切にできる人なんて、きっと、本当に一部で。

でも。

ボクが死んだら、陸さんが悲しむ。

父さんも、みっちゃんも、吉田もつらい思いをする。

それだけは、わかったから。

だからちゃんと、自分のこと、大切にしなきゃ、って、思う。


自分のことを大切にすることが、ボクの大切な人たちを、守ることになるんだ。