「……マコト?」


陸さんが、顔を上げる。
そうして、心配そうにボクを見た。


「どうしたんだ?気分、悪いのか?」


ボクは、首を横に振った。
それでも、顔がこわばっているんだと、思う。

なんで、今まで気づかなかったんだろう。

ボク、もう少しで、陸さんを死なせてしまうところだったんだ。


「陸さん。ボクも、陸さんに、おんなじこと、言いたいよ」

「マコト?」

「ボクに、自分を大切にしろって言うなら、陸さんこそ、自分を大切にしてほしいよ」