だから。

陸さんを守りたいっていう気持ちが、したことなら。

ボクは、あの人を恨んだり、責めたりできない。


「マコト」


陸さんは、首を横に振る。


「お願いだよ。陸さん」


そうでないと。

ボクがいるせいで、陸さんとあの人が仲直りできないなんて、いやだ。

ボクのせいで、誰かが嫌な思いをするなんて、イヤなんだ。


「なんでなんだよ、マコト」


陸さんが、ボクを見つめている。

なんだか、泣きそうな、瞳。


ボクが言っていることって、陸さんにとって、つらいことなのかな。