ずっと思ってたんだ。
陸さんも、吉田も、優しいしかっこいいし、とてもいい人なのに。
どうして仲よく出来ないんだろう、って。

吉田が、ちょっと、顔を背ける。

「……別に、理由なんて、ないよ」
「そう、なの?」

それも、変な気がするけど。
じっと見てると、吉田が、あきらめたように息を吐いた。

「だって、おまえ、あの店であいつのこと見つけるたびに、嬉しそうでさ。こっちが話しているときも、あいつのこと見てるときもあってさ。なんか、悔しいじゃんか。マコトのこと、俺らのほうが長く付き合ってんのに」

えっと?
それって?

「洋平くん、子供みたい。まこちゃんとられそうで嫌だったんだ」

「悪いかよ。こっちは親友のつもりなんだぜ。なのに、彼女と天秤ならともかくさ、同性にはやっぱ、負けたくないじゃんか」

あ。
吉田、耳が赤くなってる。