顔色が、悪い。
頭にも包帯が巻かれている。
きっと、痛かっただろう。
それにしても、どうしてここに、マコトの側に、誰もいないのだろう。

病室を見回して、気付いた。

点滴が、外れている。
電源が切られた、心電図。
外された、酸素マスク。

背筋に、冷たいものが、走った。

「マコト?」

そんなはずがない。
だけど、母方の爺さんが病院で亡くなった時、俺は間に合わなくて。
病室に入った時、もう、点滴も酸素も、すべて外されていた。

「マコト、起きろよ。なぁ」

マコトの頬に、そっと、手をあてる。
暖かい。
それでも、マコトは目を開けない。

このまま、目が覚めないのか?
だから、点滴も外されたのか?