自分で言ってしまって、言葉の意味に、怯えた。

そんなこと、あるわけない。

マコトは、絶対大丈夫だ。

考えちゃ、ダメだ。

頭の中に描いて、現実になってしまうことが、怖い。


「祐介さん、待ちなさい!それならあの人にも連絡するから」

「あいつになんか連絡するな!あいつが、マコトに死ねばいいって言ったんだぞ!あいつが、マコトのこと、トラックに轢かせたのかもしんねぇよ!」

「バカなこと言わないで!あの人は、そんなことはしないわ。情けない人だけど、人を傷つけたりはしない人よ」


俺は、母親を見た。

この人は、いったい親父の何を見てきたんだろう。


「母さん、何も知らないんだ。あいつは、小さいマコトの頭を、何度も壁に叩きつけて、殺そうとしたんだぜ。母さんと俺を手放したくなくてさ。あいつは、そういう男なんだよ」