もしも、マコトに何かあったら。

きっとそれは、俺のせいだ。

俺が、マコトを苦しめて、ひとりで勝手な恋愛をして。

もっと、マコトのことを、俺が守ってやらなければならなかったのに。


なんとか、玄関で靴を履く。


「祐介さん?どこへ行くの?」


母親が、気付いて近づいてくる。

気の利いた返事をする余裕もない。

黙ったまま出ていこうとする俺に、母親が声を高くする。


「あの子に会いに行くなら、許しませんよ」


俺は、母親を振り返った。


「マコトが、俺を呼んでんだよ」

「呼ばれたからって、行くことないでしょう」

「マコトが怪我したんだよ!トラックにはねられたって!今、会いにいかなくて、会えなくなったらどうすんだよっ!」