だって、マコトは言った。

「陸さんがボクに嘘をついていたことが、いちばんつらい」

って。


親父に、死ねばよかったなんて、ひどいことを言われても。

それより、俺がマコトに嘘をついていたほうがつらいって言ったんだ。

いちばんひどく、マコトを傷つけたのは、俺。


「マコト……」


手の中の携帯電話を、もてあそぶ。

マコトに、毎日メールを送っているけれど、返事は、来ない。


「時間を、ください」

あの夜、マコトは泣きそうな顔をして、俺に言った。