「え?」

「実の親からうとまれて、捨てられて。生まれてきたのは、あいつのせいじゃない。世界中の誰があいつを責めても、俺は、あいつが生まれてきてくれたことに、感謝してる」

「祐介さん?」

「もう、行きます。論文のまとめをしないといけないんで」


俺は立ち上がって、部屋に戻った。

母親が何かヒステリックに言って、それを佐伯さんがなだめている。

わかっている。

こんなの、ただのやつあたりだ。