喋ろうとして、また咳が止まらなくなる。

仕方がないから、ボクは、頷いた。

胸の上の携帯電話を、そっと、握る。


陸さん。

もう一回、会えるよね?


咳が苦しくて、小さく、頭を振る。

名前を呼ばれたような気がしたけれど、ボクはそのまま、目を閉じてしまった。