ふわっ、と、身体に白い布がかけられる。


「おい、坊主、気をしっかり持てよ」


知らないおじさんが、しゃがみこんで、声をかけてくる。

もう、目の前が暗くて、とても眠かったけれど、僕は何とか目を開けた。


「悪かったな。ブレーキが間に合わなかった」


あ。

トラックの、運転手さん、なのかな。


「ごめん、なさい。ボクが、飛び出した、せいで」

「気にするな。同じ事故でも、あんな小さい女の子じゃ、たぶん即死だ。おまえさんがかばってくれたことを、あやまるこたぁない。……ま、ついてなかったとは思うけどな」


何となくおかしくて、ボクは、笑った。