「マコト!おい、しっかりしろ!」


身体を揺さぶられて、ボクは、目を開けた。

どうしたんだったっけ。

あ。

そうだ。

ボク、有希ちゃん追いかけて、道路に飛び出しちゃった。


「吉田、有希ちゃんは?」

「ああ、大丈夫だよ、そこにいる」


言われて、ボクは、首を動かした。

へんだな。

なんだか、すごく、身体が重い。

さっきは、空も飛べたのに。


歩道で、怯えたように立ちすくんで、泣いている有希ちゃん。

みっちゃんが、有希ちゃんの手を握ったまま、ボクを見ている。