「みっちゃん、久しぶり」


みっちゃんの後ろから、吉田が気まずそうに、顔をだす。

吉田と手をつないでいる、有希ちゃん。

ボクは、有希ちゃんの前にしゃがみこんだ。


「こんにちは、有希ちゃん。麦わら帽子、可愛いね」


有希ちゃんは、大きな麦わら帽子をかぶっている。
うん。なんだかいかにも、夏休み、っていう感じ。
可愛いなぁ。

有希ちゃんは、はにかんだように、それでも笑ってくれた。


「マコト。その……ごめん」


吉田の、言いにくそうな声。
ボクは顔を上げて、立ち上がった。