「……まこ、ちゃん」



砂利を見つめて、箒で掃いていた僕の背中から、声がかかる。

すっかり、夕暮れになっている。




ボクは、顔を上げて、笑顔を作る。

大丈夫。

ちゃんと、笑える。





「……堀井?」




振り返ると、堀井が、立っている。

夕日を背中にしているから、逆光で、顔がよく分からない。



「どうしたの?」

「まこちゃん、大丈夫?」

「うん。急に帰っちゃって、ごめんね。父さんが帰ってくるまでに、掃除しておきたかったし」

「……だから、いいの?って、聞いたのに」



え?