父さんは、ずっと、ボクを本当の子供として扱ってくれた。
いらない子だった僕を、このお寺の跡取りに、って考えてくれた。


ずっと、気付かなかった。
父さんはこんなに、ボクのこと、考えてくれてたんだ。


「祐介君」


父さんが、陸さんを見る。

あ。

陸さん、泣いてる。


「そんなわけで、誠は間違いなくうちの子だ。言ったはずだが。どんな意味でも、こっちのことは心配するなと」

「すみません」

「これで、そちらの家がごたごたするようなら、うちにつれてきなさい。ちゃんと、話をしよう」

「本当に、すみませんでした。マコトを傷つけることだけは、したくなかったのに」