「もともと、ずっと黙っているつもりじゃなかった。大学に入った時にでも、誠には話そうと思っていた。隠すことでもないとは、思っていたんだが」
父さんが、剃った頭を撫でる。
話をするときの、父さんのくせだ。
「誠の母親は、私の妹だった。もともと少しだらしないところがあったが、愛嬌があって、親も、私も妹には甘かった。それがいけなかったんだろうな。妻子のある男と不倫をして、私のところに泣きついてきた」
妻子のある男。
それが、あの人なんだ。
そして、子供が、陸さん。
父さんが、剃った頭を撫でる。
話をするときの、父さんのくせだ。
「誠の母親は、私の妹だった。もともと少しだらしないところがあったが、愛嬌があって、親も、私も妹には甘かった。それがいけなかったんだろうな。妻子のある男と不倫をして、私のところに泣きついてきた」
妻子のある男。
それが、あの人なんだ。
そして、子供が、陸さん。