広いお堂の真ん中で、ボクと陸さんは正座していた。

仏様の前では、嘘はつけない。

だから、ボクも嘘を聞かなくてすむ。


「足をくずしてもいいぞ」


父さんは、たぶん陸さんに言ったんだと思う。

ボクは、ここでは正座のほうが楽だけど、陸さんは正座になることなんて、あんまりないだろうし。


ボクと陸さんの前に父さんが座る。

ゆっくりと胡坐をかいた父さんを見て、ようやく陸さんも少し足を崩した。



「さて、何から話そうか」