陸さん。

やっぱり、陸さん、わかってない。

ボクは、あの人の言葉になんか、傷ついてない。



だって、他人だもの。

血の繋がりがあるとしても、ボクは、頭を壁に叩きつけられた時だけしか覚えていないんだ。

会話もしたことのない人に、死ねって言われたって、ボクは大丈夫。



ボクが傷ついたのは、陸さんが嘘をついていたことなんだ。



……ほんとうは、陸さんだって、嘘をついていたわけじゃないよね。

ただ、本当のことを言わなかっただけ。