「誠?」


父さん。

待っててくれたんだ。

ボクがまた、遅くなったから。


「どうした?」


ごめんなさいって、謝りたいのに、声が出ない。

ボクは、陸さんの手を振り払った。

とたんによろけて、倒れそうになる。


「誠!」


あ。

父さんが、抱きとめてくれた。

父さんだ。

やっぱり、ボクのお父さんだ。