ごめんなさい。

でも、どうしても、大丈夫って、言えない。

苦しいんだ。

苦しくて、つらいけど。

もう、陸さんには頼っちゃいけないんだよね。


「そう、だよね」


陸さんが、少しだけ笑って、言う。

今にも泣きそうな、笑顔。



「でもマコト、これだけはわかってほしい。
俺はほんとに、マコトが好きだった。一目惚れだったんだ。
後から、マコトが俺の父親の浮気相手の子供だって、知った。
……ごめん、俺、それ知った時、嬉しかった。
たとえマコトに嫌われたとしても、腹違いの兄弟っていう繋がりは、残る。
俺はずっと、マコトと一緒にいられるって、それが嬉しくて」


ボクだって。

もしも、陸さんとこんな関係じゃなかったら。

あのギリシャバーガーやさんで初めて出会った時に知ったなら、嬉しいって思ったかもしれない。

父さんが、実の父さんじゃないっていうことにはショックでも。