信じられない。

父さんは、ボクの本当の父親じゃなかった。

それもショックだけど。

本当の父親が、ボクのこと、死んでしまえって思ってた。

それも、苦しいけど。



いちばんつらいのは、陸さんが、そのことを知っていたこと。

知ってて、ボクとキスして、告白して。

弟なのに。



吐き気がして、ボクは、起き上った。

ぐらぐらめまいがして、立ち上がれない。



「マコト」

「ごめんなさい……気持ち、わるい」



我慢、しなくちゃ。

こんなところで吐いたら、迷惑かけちゃう。

陸さんが、背中をさすってくれる。


「病院に、いこうか?」


ボクは、小さく首を横に振った。