「マコト、気にするな。あいつの言うことなんか無視するんだ」
陸さんが、ボクの肩を押して、歩かせようとする。
でも。
どうして、ボクのこと、知っているんだろう。
どうして、ボクのこと睨むんだろう。
「誠、何をたくらんで、祐介に近づいたんだ」
陸さんが、立ち止った。
お父さんを、振り返る。
「黙れよ」
「祐介、おまえは、そいつに騙されているんだ。おまえは知らないかもしれないが、そいつは」
「黙れって言ってんだろ!あんたにそんなこと言う権利があんのかっ!」
陸さんが、お父さんに飛びかかる。
襟をつかんで、顔を、拳で殴りつけた。