陸さんは、お父さんと仲が悪いみたいだから。

きっと、いろんなことがあったんだろうけど。

でも、優しそうなお父さんだし。

仲良くできたらいいのに。



でも、ボクの手を引っ張って歩く陸さんは、とても険しい顔をしていて。


「待ちなさい。祐介、誠を近づけるのはやめなさい」



……え?


後ろからかけられた言葉に、僕は立ち止まった。

ボクのこと、知っているの?

ちょっとだけ、振り返る。



陸さんのお父さんが、ボクを睨んでた。