マコトが、ようやく笑顔になってくれたことに、ほっとする。


マコトには、いつでも笑っていてほしい。


悲しい顔なんて、させたくない。


今さら兄として、なんて気持ちには、正直なれないけど。


このまま、他人のままでいい。


それで、マコトとこうしていられるなら。


「ボク、海って行ったことないんです。学校のキャンプで、山は行ったことあるけど」


旅行のパンフレットを見ながら、マコトが楽しそうに、言う。


ずっと、笑っていて。

マコトが幸せでいられるように、俺も頑張るから。