「もう、とっくに離婚して、俺の父親じゃなくなってる。何しに来たのか知らないけど、縁なんかとっくに切れているんだ」
俺の話を聞きながら、マコトは、哀しそうな顔をしている。
こんなつもりじゃなかった。
マコトに、こんな悲しい思いをさせるつもりじゃなかったのに。
俺は、マコトに笑いかけた。
「もう、あいつの話はこれで終わり。せっかく来てくれたんだからさ、旅行の予定でもたてよう。あ、そのまえに、これ食べてみなよ。佐伯さん手作りのシャーベットは、ちょっと店じゃ食べられない味だから」
「あ、はい」
マコトが、シャーベットを口に運ぶ。
びっくりしたように、目を見開いた。
「おいしい……!」
「だろ?小さい頃から、これが大好きでさ」