マコトは、俺の部屋で、ソファに膝をそろえて座って、物珍しそうに辺りを見回している。


「殺風景だろ?あんまり、物置かないから」



俺が言うと。

マコトが、首を横に振る。


「なんだか、かっこいいです。陸さんらしい。ボク、友達の家とか、あんまり行ったことないから、嬉しいです」


マコトくらい優しい子なら、友達も多いかと思っていたけれど。

遊びに行く時間が、あまりなかったのだろうか。

ドアがノックされる。



「よろしいですか?」

「ああ」



ドアが開けられ、マコトが緊張したようにソファから立ち上がる。