陸さんのお父さんは、スタイルがよくて、ちょっと白髪混じりの、優しそうな人だった。


うん。
やっぱり、陸さんに似てる。



「…君は?」



陸さんのお父さんが、ボクに声をかける。


やっぱり、ちゃんと挨拶したほうがいいよね。



「あの、ボク、佐野川と言います」

「マコト!そんなやつに返事するな!」


え?



陸さんが、ボクを引き寄せて抱きしめた。

強い、力。



どうしたんだろう。
こんなに怒っている陸さん、初めてだ。


「佐野川…?」

「行くぞ、マコト」


陸さんが、ボクの腕をひいて、門の中に入る。

陸さんのお父さんの前で、門が閉まった。