やっぱり、陸さんと、もう少しだけでも一緒にいたい。



結局、ボクだけ作務衣に着替えてきた。


「へぇ、ちゃんとその恰好が似合うんだ。やっぱり、お寺の子なんだなぁ」



感心したように、陸さんが言う。

ちょっと、照れくさいけど、嬉しい。



「こんな格好、嫌じゃないですか?」

「全然。っていうか、惚れ直した」

「えっ」



陸さんから、初めてそんな言葉を聞いて、ボクは固まった。

惚れ直した、って、それ、やっぱり。



「あの、陸さん」

「どうしたの?」



陸さんが、笑顔で尋ね返してくる。

こんなこと聞いたら、嫌われちゃうかもしれないけど。

でも、ちゃんと聞いてみたい。

自分でも、こんなことを陸さんに尋ねるなんて。

とっても恥ずかしくて、ドキドキするけど。

でも、尋ねても、陸さんなら許してくれる気がするから。



「マコトくん?」

「もしかして、陸さん、ボクのこと、好きなんですか?」



……言っちゃった。


ボクの勘違いだったら、めちゃくちゃ恥ずかしい。

だって、ボクのこと、好きになってくれる人がいるなんて。

ましてそれが陸さんなんて、信じられないし。



めちゃくちゃ勇気を出して言ったのに、ボクの言葉を聞いたとたん、陸さんはその場にへたり込んだ。