「ごめん、我慢しようって思うんだけどさ」 「陸さん……」 陸さんの手が、ボクの頬にかかる。 え? でもここ、陸さんの大学の構内なのに。 ほんとに、誰に見られるかわからないのに。 「陸さ……」 止めようとする前に、唇が触れた。 陸さんからの、キス。 身体から、力が抜けそうになる。 なんでこんなに、陸さんって、キスが上手なんだろう。 なんでこんなに、ボクは、幸せな気持ちになっているんだろう。