陸さんに、押し付けようとするけど、陸さんは両手を後ろに回して、受け取ってくれない。



どうしよう。



陸さん、意地悪だ。



こんな高価いもの、それも料金まで、陸さんに払ってもらうわけにいかない。



「陸さん」



「そんな、泣きそうな顔しないで。俺が、マコト君に持っててもらいたいんだ」



「でも」



「これをマコト君が持っててくれたら、いつでも連絡取れるだろう?ね、マコト君のためじゃなくて、俺のためにあげたいんだ」



陸さんの、ため?



陸さんが、顔を近づけて、ボクを見る。



ほんとに、もらっても、いいのかな。