精一杯優しく言ったつもりだけど。
有希ちゃんの目に、涙まで浮かび始める。
うわぁ、どうしよう。
「ごめんね、吉田、ボク先に帰るよ」
「まこちゃん、違うんだってば」
帰ろうとしたボクの腕を、みっちゃんが掴む。
「だって、有希ちゃんこんなに怖がってるよ」
「だから、違うんだって」
みっちゃんは笑っている。
そうして、有希ちゃんの前にしゃがんで、頭を撫でてあげている。
「有希ちゃん、まこちゃんにドキドキして、びっくりしちゃったんだよね?」
え?
有希ちゃんが、みっちゃんを見上げて、こっくりと頷く。
「まこちゃんのこと、好きになっちゃったんだ」
えええっ?