と。



有希ちゃんが、真っ赤になって、吉田の後ろに隠れてしまう。



吉田のTシャツの裾を掴んで、背中から半分だけ顔を出して、ボクを見ている。


もしかして、嫌われた?



「やだ、有希子、人見知りなんてしないのに」



「有希ちゃん、こいつはやさしい奴だから、大丈夫だよ」



吉田が有希ちゃんを押し出そうとすると、有希ちゃんはますます隠れてしまう。


「有希ちゃん」



「いいよ、吉田。無理させたら、有希ちゃんがかわいそうだよ」



ちょっと、ショックだけど。



だけど、怖い人に思われちゃったなら、仕方ない。



「誰にでも付いて行っちゃうより、いいよね。ごめんね、有希ちゃん」