あ。



急に、ぽろっ、と涙がこぼれて、僕はあわてて目をこすった。



バカみたい。



ほんとに、バカみたいだ。



こんなことで泣くなんて。



だって、陸さんは、こんなにボクに優しくて。



ボクのこと、大切にしてくれて。



これ以上、何を望むつもりなんだろう、ボク。



……キスより、先のこと?



ああもう。



今度は、頬が火照ってくる。



ひとりでこんな、泣いたり照れたり、ほんとにボクは、どうにかなっちゃったのかな。