「何が可笑しいんだよ」



しまった。



腹を立てている相手に笑われたら、誰だってカッとなる。



「ごめん、君を笑ったわけじゃないんだ。友達思いなんだね。君みたいな子が、マコトくんの友達でよかった」



笑いかけると。



吉田君が、毒気を抜かれたように目を見開く。



それから顔を背けて、黙ったまま椅子を引いた。



マコトと堀井さんが、目を見交わす。



それから、二人で並んでキラキラした目で見つめられて、返って気圧された。



本当に、このふたりは、まるで姉弟みたいだ。




陸side 終