「お、アカツキとチーコが同点だ」

 ゲームも終盤に差し掛かったころ、スコア表を見ていたトワくんがつぶやいた。

「えげつない点数出してるダイチは抜きにして、アカツキとチーコで一位争いだな」

「ちょっと待てトワ。なんで抜かすかな。マイナス80スタートだったからこそ俺は頑張って」

「俺、チーコに賭けよっと」

 異議を申し立てるダイチくんを無視し、トワくんが百円玉を置いた。

「じゃあ、俺はアカツキが勝つほうに」

 高槻くんも百円玉を取り出し、ダイチくんがしぶしぶそれに倣う。

「くそう……アカツキ、頑張れよ~」

「じゃあ、レミはちーちゃんに」

 金髪男はベンチに座ったままうなだれていた。

 レミにいいところを見せようと力んだらしく、ガーターを連発したせいで、最終フレームを残した時点で彼の勝利はなくなっている。

 本人もさすがにショックなのか、途中から口数が少ない。