「あー気もちいー!」

 目を疑う剛速球に、一同は言葉を失ったままだ。

「ボーリングってストレス解消になるよねー」

 嬉しそうに笑いながら、レミは私のとなりに戻ってきた。

「あの身体のどこにあんな力が……」

 ぼそぼそと交わされる男子陣の声を聞きながら、私はそっと美少女を見下ろす。

「レミ、意外と力持ちさんだったんだね……」

「えへへ、でもコントロールはダメだから、いいときと悪いときの差が大きいんだよぉ」

 確かに、レミの投球は右に逸れてピンは1本しか倒れなかった。

 いや、倒れたというより、手りゅう弾で吹き飛ばされたがごとく弾けとんだというほうが正しい。

「あー楽しい! あれ、みんなどうしたの? 変な顔して」

 人間は、見た目だけでは測れないのだと、華奢な彼女を見て改めて思ったのだった。