「トワひどい、女子だけ贔屓だ」
泣き真似をするダイチくんにトワくんは「力がちげーんだから、しょうがねえだろ」と至極まっとうなことを言う。
常識人だ。彼は常識人だ。
結局レミは40点、私は30点を最初から与えられることになった。
初回フレームはいきなりストライクを叩き出したダイチくん以外、みんな似たり寄ったりの出だしだった。
そんななかレミが立ち上がる。
「レミちゃん無理しないようにね」
「転ぶなよー」
「転びそうになったら俺がすかさず受け止めるから安心して!」
ダイチくん、トワくん、セイの声援を受けながら、レミは第一投を放つ。
投球は猛烈な勢いでピンを吹き飛ばし、ガゴーン! とフロア中に響くような音を立てた。
唖然とする私たちを振り返り、レミはきゃっきゃっと飛び跳ねる。