彼女は二度も確認してくるので、俺は頷いた。大丈夫だよ、と


「…私、本命のライブに行こうとしたとき、会場に入る前に泣いちゃって…。」


「好きすぎて怖くなるというか…。
一緒にきてた友人は呆れちゃって」


「実は、CDジャケットでしかほぼ彼らを見たことないんです…。PVとかみてても、ひとりひとりの演奏姿とかに魅入られさせられて。」


語る彼女の話を黙って聞く。


「グンジさんとキョウさんのコーラス隊は惚れ惚れします。ちゃんとヤッシさんとハモってるんですよね。中でもヤッシさんの声は私を虜にしました。そしたら気づいた頃には歌ってる姿に泣くようになりました!」

「え……」

「やっぱり引きました…?」


「あ、違くて…むしろそこまで想えることが凄いし、グアイーズは嬉しいよ、絶対。」


「ありがとうございます…友人たちには理解できないっていつも言われるんですけどね、へへっ」

「人それぞれですよ。行きたい気持ちがあるなら焦らずいける時に行けばいいんです。」

「うふふ、こむらさんに話したらいつかいける気がしてきました」


彼女は、今日みた中で1番の笑顔だった。