お互い目を合わせたらクスクス笑って、どうでもいい穏やかでくすぐったい時間を過ごした。
時間が経てば、こむらさんの手の譜面も順番通りになったのか、顔をあげるこむらさん。彼の手にある譜面が気になって仕方ない私と目が合う。
不思議そうな顔をするこむらさん。
「これ、全部こむらさんが書いてるんですか?」
「ん?…ああ、作曲?これは友達です。これに合う詞を書こうと思って京都にきてみたんです。今回、三味線使うらしくて。冒険だってあいつ言ってたんですけど、俺の中で完全に京都になっちゃって。」
「へぇ!面白そうですね!聴いてみたいです」
「完成したら聴かせてあげますね。詞は、こなちゃんのおかげで完成しそうですし」
ニコニコと答えるこむらさん。
「へ?ありがとうございます?」
「こなちゃんって好きなジャンルとかバンドとかあるの?」
「こむらさん、バンドやってるんですね!」
「あれ、やっぱりバレちゃう?」
バレるも何も、こむらさん自分で言ってるじゃないですか…
「だって、バンドやってる人って人に聞くとき、ジャンルとバンド聞きません?私の周りだけなのかなぁ」
「あー、確かにそうかもしれません。無意識ですね」
感心したようになるほどなぁって呟くこむらさん。この人はどんなジャンルなんだろうか。