「他にはないですか?」
れいちゃんに南無南無してる私を笑いながらこむらさんが尋ねてくれる。
が、本当にもうない。
こんなイケメンと可愛い子(タツくん)と遊んでたら普通は欲深くなるもんなんだろうけど、
親戚たちのお陰でイケメン顏には慣れてる。
むしろ性格歪みまくり親戚のおかげで、イケメンと美人は可笑しいというレッテルが貼られてしまっている。
たまにはみんなに会いたいなぁ。
「…でいいですか?」
「ほっ?」
「こなちゃん、聞いててよ〜」
「ご、ごめんなさい…
で、なんでしょう?」
「だーかーらーお前が俺らのコーディネートでいいだろ?」
えええ!なんでですか!
どうして私が三方のせねばならんのですか!
「こなみ、顔がうるさい。」
どういう意味だ、キョウちゃん
え、というかこむらさん話しちゃったの?え?
「こなちゃん、ごめんね。
でもこなちゃんなら大丈夫!
俺らに服を作ると思って!」
「こむらさんの話し方ってバラバラというか独特というか…」
「そうですか?」
私は行動で頷く。
だって、敬語だったり、丁寧語だったり、タメ語だったり、口悪くなったり。
「うーん…ま、いっか。とりあえず、こなちゃん。よろしくお願いしますね?」
「やーだー…」
「じゃあ、いっくよー!」
「あ、荷物…!」
「あー、笠賀の車に預けたらいいよー」
「え、笠賀さん!?」
「昨日の笠賀さんの弟です。笠賀 健吾です。俺らの先輩です。」
「健吾さんね!申し訳ないなぁ…」
「こなちゃん、行かないなら僕がこなちゃんの服を片付けちゃうよー!」
「ダメですー!今行きまーす!」
廊下にもう出ているタツくんを急いで追いかける。