自己紹介を終えたのを見計らって、こむらさんが
「食べましょう」
と口を開いた。
それを合図かのように竜満さんと香月さんは注文する。
私は初めてでどうすればいいのかわからず、出されたお茶をただ啜る。
それにすぐ気がついてくれたこむらさんが
「こなちゃん、何が食べたい?」
と聞いてくれたが、値段も怖くて進んで注文できなかった。
「じゃあ、こなちゃんはコースを頼みましょう。悩まなくて済みますし、ね?」
私は頭を上下に何度も動かして頷いた。
「笠賀さん、いつものやつを2人分で」
「はいよ!」
笠賀さんと呼ばれた料理人のおじさんが素早く握ってくれる。