「...あ。」
「何?」
「あの...前さ、私が走って帰っちゃったとき...」
「うん」
「追っかけてくれたんだよね?...ごめん、ありがと」
「ん、別に。いいよ。気になったから。」


そーゆー優しさもちゃんと変わってない


「...ありがと」
「...っ、どしたの、...」
「え?何が?」
「そんな、可愛い顔、するよーになって。」
「!!!?///」


いや、可愛い顔って!!!!
可愛くないし!!!!
ってゆぅか、あざといよっ...
何でそういうことさらっと言えるの?
わざと?計算?
...いや、この顔は天然だな。
なんか恥ずかしいこと言ってるっていう自覚無しっぽいし。
ってか天然ならもっとあざといじゃん!!!
...猫系男子だよね。功って。


―――ぽすんっ


背中に少し衝撃が。


「よぉ。功と結。」
「和先輩...」
「え、何、結?何で睨むの!?」
「...」


理由は一つしかないのに...
あんな外で思いっきり叫ぶなんてひどいし。


「あー...なんとなくわかったかも。
 朝のやつ?」
「...はぃ」
「だって!結に手ぇ振ってんのにさ
 全く気付かないんだもん!」
「...だって私なんかに手を振るとは...」
「俺も思った。何で結に振ってんのにって...」
「...」
「なー?大体俺らがこーゆーことするのは
 彼女か結くらいしかいねぇよ」


...そうだよ
何で3人とも彼女がいるのにさ
私にこんなことしてくれるんだろう
功はわかるよ
私の御守なんでしょう?
いいよ、わかってるよそんなこと
幼なじみだからって。
親に昔から頼まれてやってることってくらい。
でも和先輩と貴斗先輩はどうして?
...私の気持ちがバレちゃったから?


「...あの」
「「ん?」」
「何で2人は、私なんかと仲良くしてくれるんですか?」
「...」
「功は、幼なじみだからでしょ?わかってるよ?
 でも、嫌じゃないの?」
「ゆっ...」
「和先輩は、どうして?
 私の気持ちがバレたからですか?
 好きじゃないですよ、恋愛として。
 かっこいいなって思ってるだけなん―――...」
「はぃ、ストップ。」
「んむっ...!」


功が私の口を手でふさいだ。
...え?何...?


「俺ね、」
「...はぃ?」
「結の『私なんか』っていうのすごく嫌い」
「...え?」
「結、何も悪くないのに
 すぐ自分のこと責めてるんだもん。
 私なんか、私なんかって...
 別に俺は理由もなく結についてるだけだよ?
 結、他の後輩女子と違って
 どこかぬけてるし。可愛いし。
 俺は結なら
 仲良くしてもいいかなって想えただけだよ?」
「俺も別に幼なじみの御守じゃなくて
 ただ単に結がよかったから。
 和も言ったけど、他の女子と違う。
 自分の地位目当てで俺らに近づいてるんじゃないし
 ...っていうかまぁ
 結は自分から俺らに近づいてきてないけどな
 むしろノーサンキューって感じだったしな。
 だから御守も全然嫌じゃない」


...そうだったんだ
全然知らなかった
てゆーか、嬉しい
そんなこと言ってもらえるなんて。
思わなかった。


「てゆぅか...俺が聞きたいよ。
 結、俺のと...仲良くしてくれる?」


っ...
不覚にも可愛いって思っちゃったじゃないか


「俺も。昔から結のこと大好きだし。
 ずっと一緒にいていい?」


待って。あざとすぎる。
天然にもほどがあるよ、功さん
大好きとか可愛いとかサラッと言わないでちょうだい。


「...私でいいなら」
「もー!!!!結可愛すぎるっしょっ!!!」
「うぷっ!!!」
「...和、あんまり結を抱きしめるんじゃねぇよ」
「だってぇー」


...できたらずぅっと
一緒にいてほしいな、なんてね