あの後は散々だった。
友達に質問攻めされるわ
先輩の目は痛いわで最悪だった。
...別にそんな親密な関係じゃないし。
ってゆぅか話し始めたのもごく最近のことなんだから。
功は別として。...まぁ和先輩も部活のとき話したことあるぐらい。
貴斗先輩なんか。何も接点なかったのに。
いきなり優しくしてくれたし。


「...今日もゆっくり普通に帰ろうかな?」


友達と帰ると多分ひどいしね。
...ってかこれが続くと避ける方向に向かってないか?
...まぁいっか
そっちの方がすっきりするかもしれないし

マフラーをして。
上着を羽織って教室を出た。

門を出ると、委員長さん方が
あいさつ運動で立っていた。
...うわぁ、こんなに人がいるのに
...なんか出づらい...んだけど...


「さよな...ん?」
「え?」
「あ、結」
「結ちゃーん!」


功と桃菜さんだあああああ!!!!!


「桃菜さああああん!!!」
「俺は無視かよ」
「だって...まぁ私にもいろいろあるから...」
「なんだよ、それ」


そう言うと功はふてくされたように私の腕を引いた


「!?」
「門から人が出てくるだろ、危ない」
「あっ、...はぁ、すみません」
「ちょっと功!結ちゃんいじめないでよ」
「いじめてるつもりはねぇよ」


桃菜さんは本当に優しい
でも何でこんなドSな功と付き合ってるかは不明だな


「...なんか結の考えてることわかるかも」
「私もwww」
「っえ!!!?」
「さぁ。何でかは...」
「何でかはまた私が教えてあげるねー♪」
「はいっ!!!」
「...っておい。」


呆れ顔でため息をつく、功
別にいいじゃん!話を聞くくらいっ!

...一つ言っていいかな。
...ほんっとに視線が痛い。うん。
功がいるからだろうね。
桃菜さんがいる分、3年生からの視線はないね
というか、「なんだ、あの子ってそういう子か」ぐらいの感覚だと思う。
それはよかった。

...そろそろ帰ろうかな?


「あ、ごめんね。私さ
 今日塾の体験あるから...急いで帰んないといけないの
 んじゃ、またね!」
「あ、桃菜さん!また明日!」
「うん!また明日ー♪」
「...っと、功、」
「ん?」
「えっと...私も帰るね?」
「何で?」
「何で!?...え、だって一人で帰るつもりだったし...」
「待ってろ。もう終わるから。」
「は!?」
「一緒に帰るっつってんの。いいから待ってろ」


...うん、女子の悲鳴がすごい
なんか、ごめんなさい
一緒に帰るなんて望んでもないのに。
帰ることを希望してる人にお譲りしたいと思いま...


「何言ってんだよ。ほら帰るぞ」
「っわ!...ってか声にでてた?」
「ばっちり。」
「...ちょ、速い速い」
「遅いな...ほら行っちゃうぞ」
「待たせといたくせに!?」


功と帰るのは久しぶり。
私が小学4年生までのころかな?一緒に帰れたのは。
5年生から、功はもう中学1年生だったからね
...本当のお兄ちゃんみたいで、嬉しい
やっぱりこんな日々も、悪くないかな