「...結?」
「...っ、ごめ、功っ...」
「...うん、いいよ、大丈夫」

そう言って抱き締めてくれる功の腕は
やっぱり大きくて
大人に近づいていて
私とは違うんだって改めて実感した。

離れる時期が近づいてくると
本当に...辛いんだなって思った。

「私...ね?」
「ん?」
「貴斗先輩がどうしようもなく好き...」
「...」
「重い...けど、しつこい...けど
 何言われても...どうしても
 どうしても好きなの...っ」

そう必死で伝えると
功は無言のまま抱き締める力を強めた。

「泣かないのー。笑った方が可愛いんだから。」

その慰めようの仕方はどうにかならないのか。
羞恥しつつも涙はとまらず、

「ふ、ふふっ...」
「笑うか泣くかどっちかにしろよw」
「だって...w」

笑い泣き。
功、いつもいつもありがとう
その言葉で私の気持ちはいっぱいいっぱいだった。

「もうサボりなんて、付き合わねーぞ?
 あ、でも俺もう高校生だからいいよ」
「馬鹿...今日は私が馬鹿だった。
 もうこれっきりはないよ。」
「そうか?じゃあ俺が誘うかも」
「そんならいいよ、w」
「いいのかよ、w」

他愛もない私たちの会話は
ただの幼なじみの会話
だけど、その気持ちが少しずつ
揺らいでいくのは
ちょっと先のお話。