...あれから。
フリーズしていた私を無理矢理抱いて
和は全速力で皆の元へ。

...抱いてってとこがちょっとツッコみたいところだが。

でも和がすごく嬉しそうな
楽しそうな表情をしていた。
だから「やめて」とは言えなくって...

...私、ほんと、どうすればいいんだろ...


「結ーっ」
「ん?何?」
「んー...呼んでみただけ」
「なんじゃそりゃww」


そういって笑いあう。
なんか変だけど
今、めっちゃ楽しいなって思えた。
...変かな


「あ、いるw
 ...うっわぁー...桃菜オーラこぇぇ...」
「えっ?どこどこ?
 ...うーわーぁ...」


笑ってるけどドッス黒いオーラ出してるわ、うん
隣にいる功なんかもう
話しかけられてるけど普通に無視じゃんか、こわ...
拓海、あなた、爽やかsmileが消えてますよ?
貴斗先輩はそんな皆を見て慌ててるし
萌さん、は...俯いて顔が見えない



「...もうこのまま2人で行動する?
 こいつらの前に出るのすっげぇ怖い」
「う、うん...私もこわ、」
「「「か~ず~?」」」
「「!!!!!!?」」


うわぁぁ、こわ!!!!!


「結ちゃんに何してんの?ねぇ?」
「ね、キス、マジでしちゃったの?
 したんならさ、マジ、...ね?」
「和、お前、殺す」
「お前らマジ怖い」
「「「お前が悪い」」」
「(汗)」


うん、なんかごめん、和よ。
なんか...ごめん、うん

でも、私、
あんなキスされて
どうしたいんだろう
どう思ったっけ?
和、は恋愛感情で好きじゃないはず
好きじゃないよね?
そうだよね?


「そんなに怒ることもなくない?」


...そう、言ったのは貴斗先輩だった


「はぁ?何でだよ、貴斗」


若干不機嫌そうに言う、拓海


「俺は結が誰とキスしようが
 なんとも思わないよ?
 皆が過保護すぎるんだよ
 恋愛で好きじゃないのに、こんなに怒るなんて
 おかしいでしょww」
「何それ」


咄嗟に私は口を開いた
私にとってはとてもショックで
残酷な言葉ばかり並べられていた

でも、確かにそうだなと
私は愛梨さんとのキスを見てショックだった
それは、私が恋ということを自覚しているからで
貴斗先輩は私のことを恋として見てないんだから
なんとも、思わないのは、当然で、あって

なん、とも

とめどなくあふれる涙は
また、止まってくれなくなった
どうしたらいいかもわからないまま
泣いて、泣いて


「え、結、何で泣いて、」
「うるさいな」
「え、」


ごめん、貴斗先輩、
何もわからないのに、こんなこと言ってごめんね


「てめぇ...貴斗...
 ふざけんなよっ!!!!」
「和、ダメ」
「結...」
「ごめん、貴斗先輩、何でもない」


貴斗先輩、好き
ごめん、好き
和、私、どうしたらいいんだろうね
和になんとも言えない私は
どうしたらいいの?
貴斗先輩が好きで
もう嫌だよ
あんなこと言われたのに
嫌なのに
それも好きなのはどうしてなの