「あのっ...」
「「んん~?」」
「こ、これっ...恥ずかしいんですけどっ...」
「ダメだよ!?脱いじゃ!!!」
「ダメダメ!!!あとこれとこれ着てみて?」
「へぇっ!!?」
「「早く!!!」」
「はぃぃっ!!!」


私はさっきから萌さんと桃菜さんの
着せ替え人形になっている
...いや、服を買うことになったわけだけども
自分の服を選んでたら試着室にいきなり連行され
いろいろと着せられてるという...


「...もうこれで、15着目だよぉ...」


最初は意外と楽しかったんだけど
15着目にもなると辛い


「結ちゃーん?着た?」
「はぃぃ...」
「「かっわいぃぃいい!!!!」」
「...可愛くないです...」


今着てるのは、黒のミニスカに
赤チェックの肩だしニットである


「これに合うのは白のコートかな?
 でもやっぱ赤か黒で統一しちゃう?」
「でも萌、茶色もいいと思うんだよねぇ?」
「あぁ、茶色ぉ!!
 え、でも萌?ジャケットにするかコートにするか...」
「あー...萌はやっぱコートがいいかな?
 でも短い方がいいかな...
黒ミニ強調させたいよね?」
「「うーん...」」


...着てるのってどう考えても
クリスマス仕様だよなぁ...


「あの...」
「「なぁに?」」
「えと...これってクリスマス意識ですか?」
「「...」」
「...?」
「「正解っ!!!」
「え、」
「クリスマスもこのメンバーで集まることになったんだ!」
「萌の家でパーティーするんだよ!!!」
「...」
「結ちゃん?」
「どうしたの?」


...私には...
一つ疑問があった...


「彼氏さんとか彼女さんとかはいいんですか?
 ほら、功と桃菜さんもですし
 ...貴斗や拓海、和だって...」
「結ちゃん。私たちはぼっちーずだもんね」
「...はぃ」


萌さんは彼氏がすぐできる人だと思うけど
「作れない」じゃなくて「作らない」んだって
長年片想いしてる相手がいるらしい
萌さんってすっごくイチズなんだなぁ...


「あぁ、それならいいのよ
 貴斗はまだわかんないんだけど、
 功も私も普通に過ごせるし。
 和も拓海も全然いいって言ってるみたいだし」
「ほ...ほんとなんですか?」
「うん。和と拓海は若干脅したけど。」
「...」


今、さらっとひどい発言しましたね


「まぁ、脅したって言うか
 集まるのはクリスマス当日だから
 イチャラブするんだったらイブにしなよ
 って言っただけなんだけどね?」
「...あ、はい」


なんかものすごくその光景が想像できて怖い


「ちなみに、この結ちゃんのコーデに合わせて
 私たちもお揃いを買おうと思ってるの」
「え!?」
「そー!萌たちもこのニット欲しいしー
 お揃いって、なんかよくない!?」
「はっ...はい!!!」
「で、私は黒、結ちゃんは赤
 萌が緑...でいい?」
「萌は全然いいよぉー」
「私もいいですっ...」
「じゃ、私はこれにあう
 スキニ―パンツが欲しいから見てくるね」
「あ、萌もボアが付いたショーパンほしい!!!」
「「結ちゃんはそれ絶対買ってね♡」」


そう言い残して2人は行ってしまった
お揃い、かぁ...
なんかすっごく嬉しい...


「私も自分の服1着くらい買おうかな♪」


――――――...


「ふぅ、買ったねぇー!!!」
「いいの見つかって、よかったわぁ」
「ですねっ♪」


男子軍も向かいのメンズショップで
良い服を見つけたようでご機嫌だった


「じゃ、行こ」


功の合図で、歩き始めた
突如


「あれっ!?貴斗ぉ?」


聞こえた、その声