「うぅうぇ...」
「ちょ、結、大丈夫?」
「だ、だいじょっ...っうぇ」


...電車酔い。
こうなったのは、たった数分前の出来事。





―――――― 「あぁー、もう楽しみだねぇっ!!!」


萌さんが言う
そりゃ私も異常なくらいわくわくしている
先輩たちと一緒だなんて
絶対楽しいに決まってるからだ


「どうしよー、ちょっとさ
 寄りたいお店いきなりあるんだけど...」
「萌は全然いいよぉー!」
「俺もいい」
「俺は別についてくよー?」
「あ、そこなら俺向かいの本屋いるわ」
「あ、じゃあ俺も拓海についてく」


でも、その時点で私は
あんまり皆の会話が聞こえてきてなくて
なぜなら...眠たかったから。
起きるの、結構遅かったけれど
でも寝たのが本当に遅かったから
あんまり寝てないわけで。

...で

隣に座ってた和の肩に
頭を乗せて半寝しちゃったわけ


「「「「「「!!!!!!!」」」」」」
「...zzz」
「お、俺っ...も、もうっ...」
「結ぃいぃぃいぃいい!!!!」
「結、ダメ、起きて」
「ゆんダメだぁああぁあ!!!!起きて!!!!」
「結ちゃあああああああん!!!!」
「結ちゃん!!!こんなやつの肩にぃぃい!!!?」
「ん...」
「「結ちゃああああん!!!!」」


そう言って私の体を必死に揺さぶる
萌さんと桃菜さん


「「「「お、おいっ!!!」」」
「っっっ!!!!!!?」
「ゆ、結ちゃぁんっ!!!!起きてぇぇ!!!」
「も、もう起きて...っ!?」
「だ、ダメだよぉ!!!和なんかの肩にぃ!!!」
「お前らさっきからヒドイ」
「も、もう起きてまっ...うぇっ!!」
「ゆ、結っ!!!」


――――♪~♪~♪~


「つ、次だぞ!!!降りるぞ!!!」
「ゆ、結我慢しろ!!!」
「っ...!!!」



―――――――...





「...結、もう大丈夫?」
「結ちゃん、水買ってきたよ!!!」
「あ、はい...も、もう大丈夫です...えへ」
「あぁ、いいんだよ、別に強がらなくても。
 だってこいつらのせいなんだから」
「「っ...」」
「あ、なんか言いたげな顔してムッとしてるけど
 事実だからな?」


嫌味ったらしく言う功は
...結構本気でイラッとくる
いや、私に言ってるわけじゃないんだけども。


「結ちゃん...ごめんねぇ...」
「私も...必死になりすぎちゃった...」
「い、いえっ!!!大丈夫です!!!
 電車酔いなんて初めてでびっくりしちゃっただけです!」


これは本音だ
でもシュンとして謝る桃菜さんと萌さんが...
可愛すぎて許すしかないんだよ!!!!!


「結ちゃんっ、もう大丈夫なら早く回ろ!?」
「お前全然反省してねぇだろ」
「どこ行く!?萌、早くいきたいっ!!!!」
「お前らマジで反省してねぇよな...」
「まぁいいのいいの。私はもう大丈夫なんだもん」
「...いいならいいんだけどさ」


...さぁ、私も何買おうかな
個人的には今一番CDが欲しくて
アニメイトに早く行きたいんだよね
そんでもって次は服かな?
ワンピースかボトムスが欲しい
っと、後は本とか
いろいろ見たいかなー?


「もうそこにゲーセンあるし
 そこでプリクラ撮るんなら撮ってこれば?」
「「「え!!!?」」」
「...え?」
「え、何?今の言葉にツッコミどころあった?」
「え?」
「まさか...」
「「「4人とも撮らないつもり!!!?」」」
「「「はぁ!!?」」」
「やっぱりな...」


和だけが予想していたようで。


「何で!?せっかくなんだから!!!」
「そーだよ!!!想い出づくり!!!」
「お、俺写真苦手だし...撮ったことないし...」
「俺もねぇ。こっぱずかしい」
「だからチャレンジするんじゃん!!!」
「俺はあるけど」
「「「!!!?」」」
「あ、そっか。貴斗は愛梨ちゃんと撮るもんねー」


――――ズキン


「おぅ。もう結構とったな」


――――ズキン


...ん。
結構くるな
彼女さんの話が出るといつもこうだ
でも今日はその気を紛らわして楽しむんだもん


「今日だけでいいから撮ろうよ!!!」


私もそう言って
萌さんと桃菜さんと共に
4人を引っ張ってゲーセンへ足を運んだ