今日は学校ではない
部活もない
だから、やることがない
どうしよ...


――――ガラッ


「ん」
「あ...結、寝てた?」
「ん、今起きた」


功が窓から部屋に入ってきた
あ、功とは家がお隣同士で
ベランダがほぼつながってるんだ
だから自由にベランダをまたいで
行き来することができるんだよね


「結、今日暇?」
「うん、何しようか迷ってた」
「部活は?」
「ないってば。あったら寝てないよ」
「そうだね」


...普通に功って天然だよね


「で、どっか行くの?」
「ん。電車で。出かけようと思って。」
「へ?...ふ、二人で?」
「んーん。残念ながら結構いるよ」
「残念ながらって...誰がいるの?」
「桃菜、萌、和、拓海、貴斗」
「っ!!!行くっ!!!」


今日は萌さんと拓海もいるんだ
萌さんも3年生の先輩で
二次元で共通している
拓海は、なんか仲良くなった
自然とね
お兄ちゃんみたいな存在


「何着てこー...」
「結は何でも似合うしいいんじゃないの?」
「...」


...真顔でそんなこと言うのやめてください
てか頬杖ついてるし。
なんか様になってるよ。かっこいいし。


「...そんなことはない」
「ほら、このトップスとスカートならさ
 可愛いし、動きやすいじゃん?」
「!?」


功、あなた、何者!?
てゆーか近い近い近い!!!


「そ、そうですねっ...
 じゃあ着替えますよっと...」
「?」
「で、出てってよ...」
「ん?...脱がしてあげてもいいんだけどな?」
「!!!!////」


何それっ!!!!
不覚にもドキッとしてしまった


「~~~っ!!!え、遠慮しますっ!!!///」
「えー残念。着替え終わったら呼んでね」
「うんっ...」


功は意外と
友達に見せない一面があって。
こういうときだけ本当にカッコよくなる
ドSになるし、むっちゃエロいし。
とにかく...ドキドキするからやめてほしい。


「...変...じゃないよね」


功が選んでくれたんだもん。信じよ

功が選んだのは
桜色のトップスに
花柄のスカート...にみえるキュロット
それにニーハイを履けばいいかなって。
靴はなんかローファーっぽいやつにして...
カバンもトップスに合わせて桜色にしようかな

...てかこのコーデって。
明らかに功の好みだな...

今日行くと即答したのは
もちろん貴斗先輩が絡んでるからもあったし
何よりもメンバーが好きだから
てゆーか貴斗先輩と休日も一緒にいられるなんて...
めっちゃ幸せなんだが。


「...おまたせ」
「...」
「え、えっと...変じゃな...!?」


まだ私が言い終わってないのに
功は私のことを力いっぱい抱きしめた


「結、可愛すぎ
 もう俺どうにかなっちゃいそう」
「な、何言ってっ...!!
 ってか苦しい!!!離して!!!」
「やだ」
「っこ、功っ!!!」


じたばたしても
年上の功に叶うはずがなくて


――――ピリリリリッ


私のケータイではない
功のケータイだ。


「...功、出ないの?」
「チッ...うん、今出る」


...うん
出るって満面の笑みで言ってくれたけどね、君
舌打ちしたね、今


「もしも...」
『こぉぉぉおぉおうぅぅぅぅぅううううぅう!!!
 てめぇ遅いんだよ!!!!早く来いよ!!!!』
「...」
『シカトか!!!?あぁん!!!?』
「...切っていい?」
『ダメに決まってんだろ、あほんだれぇええぇえ!!!!』


...うん
和だね。うん
朝からそんなに声量でるんだね、すごーい


「遅れてるのは、結を待ってたから。」
『え...結!!!?』
「そう。誘ってみた。いいでしょ?」
『い、いいに決まってんじゃん!!!
 早く来いよな!!!』
「うん、行くけどね。...和」
『ん?』
「お前、さっきの雄叫びも...
 ...しっかり結に聞こえてるからな?」
『なっ!!!!!?』
「じゃあ、すぐ行く。じゃな」
『おい、こ――――...』 プツッ


...うん
ご苦労様です


「じゃあ、行こ」
「...ハイ」


その笑顔が
黒く見えるのは私だけ?