そもそも私とカイトには大した厚みも無い関係。

うすっぺらと言っても良い。

だって初めて会った時なんて人に剣先向けちゃって、人を血なまぐさい勝負なんかに駆り出して、何かあれば脅すし、ケンカ腰だし、馬鹿にするし……。



ーーでもね。


カイトは私の為に体を張って守ってくれた。

駆けつけてくれた。

迷宮の森でも、カモタケツとの争いの時でも。


カイトが死んだって知った時、足元から奈落の底へ落ちていくような気がした。

これから先が何も見えなくなった。

さっきまで一緒にいたのに、昨日まで減らず口を叩いてたのに、私の手を握り締めてくれてたのに。

それなのにカイトが死んだなんて、どうしたら受け入れる事が出来る?

だからこそ、生きてたって知った時は何よりも嬉しかった。


生まれて初めて、神様に感謝した。


カイトを生かしてくれてありがとうって。


もう一度出会わせてくれてありがとう、って。


……でもさ。